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価格補正の手法を中心に

価格補正の手法を中心に
◆奥行長大補正率…奥行距離(24m)÷間口距離(20m)=1.2(奥行長大の適用無し)
「奥行長大補正率(相続税)」

固定資産税の実務上のポイント(3)- 土地の評価方法とは?宅地を中心に

山田 重則弁護士 鳥飼総合法律事務所

土地の評価方法を理解する意味

固定資産税の実務上のポイント(2)‐ 固定資産税の決定プロセスと課税ミスの要因とは?」では、固定資産税の金額は基本的には固定資産の価格に応じて決まることや固定資産税の課税ミスの要因のうち最も大きな割合を占めるのが固定資産の価格の誤りであることを解説しました。

土地の評価方法

固定資産評価基準」は、第1章で土地、第2章で家屋、第3章で償却資産の評価方法をそれぞれ定めています。そして、土地については、土地の地目(田、畑、宅地、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、雑種地)ごとに評価方法が定められています。このうち固定資産税の金額が大きくなり、特に問題が起きやすいのが「宅地」(建物を建てるための土地)です。

市街地宅地評価法の概要

市街地宅地評価法のプロセス

⑴ 市街地を似たような地域に区分けする


⑶ 各宅地の個別的要因を踏まえて価格(評価額)を算出する

市街地宅地評価法のイメージ


各プロセスの要点

(1)市街地を似たような地域ごとに区分けする

① 用途地区の区分
② 状況類似地域の区分

(2)各街路に路線価を付設する

③ 主要な街路と標準宅地の選定
④ 標準宅地の適正な時価の算出

評価替え」とは、自治体による3年に1度の固定資産の価格の見直しのことです。評価替えの年を法律上、「基準年度」といいます(地方税法341条6号)。

地価公示価格」とは、国(国土交通省土地鑑定委員会)が毎年1月1日時点の標準地(令和2年は全国26,000地点)の正常な価格を、不動産鑑定士による鑑定評価により決定するものです。地価公示価格は、土地取引の際の指標や不動産鑑定の規準等になります。基準地が標準宅地としても選定された場合には、通常、改めて不動産鑑定士が標準宅地として鑑定評価をするのではなく、地価公示価格をもとに標準宅地の適正な時価を算出します。

⑤ 標準宅地の適正な時価に基づく主要な街路の路線価の付設
⑥ その他の街路の路線価の付設

なお、一般財団法人資産評価システム研究センターがWEB上で公開している「全国地価マップ」の「固定資産税路線価等」では、各地域の標準宅地、主要な街路の路線価、その他の街路の路線価といった情報を確認することができます。

「全国地価マップ」の「固定資産税路線価等」

全国地価マップ

(3)各宅地の個別的要因を踏まえて価格(評価額)を算出する

⑦「画地計算法」と「所要の補正」の適用による各宅地の価格の算出

画地計算法の具体例(角地)

画地計算法

(1)基本1平方メートル当たり評点数

= 1,000(正面路線)× 0.97(奥行35mの奥行価格補正率)= 価格補正の手法を中心に 970

(2)加算1平方メートル当たり評点数

= 900(側方路線)× 1,00(奥行20mの奥行価格補正率)× 0.08(側方路線影響加算率)= 72

(3)1平方メートル当たり評点数

(4) 評点数(価格)

= 1,042(3)× 地積(20 × 35)
= 729,400

「画地計算法」には、価格を増額する要因として複数の街路に接する場合(角地、二方路線地、三方路線地、四方路線地)が定められており、価格を減額する要因として不整形地(形の悪い土地)、無道路地(街路に接していない宅地)、間口が狭小な土地、奥行が長大な土地、がけ地(傾斜により使用できない部分を含む宅地)の場合が定められています。しかし、各自治体は、これら以外にも独自に「所要の補正」として価格を増減させる要因を定めることができます(固定資産評価基準第1章第3節二(一)4)。実務上は、以下のような要因を減額要因として定める自治体が多いといわれています。各自治体の所要の補正の内容は、「土地評価要綱」や「土地評価事務取扱要領」といった資料に記載されており、WEB上でこれを公開する自治体もあります。

役に立つ固定資産税講座

本講座の第1号から第82号までの見直し(修正及び追加)が終了しました。引き続き、新規のブログを継続していきます。

役に立つ固定資産税講座

(52号)相続税評価と固定資産税評価の計算方法はどう違うのか(3)(「不整形地」の場合)

不整形地評価の場合は、相続税評価と固定資産税評価の方法はほぼ同じです。
両者の相違点は、相続税の不整形地補正率表では地積区分がありますが、固定資産税には地積区分がありません。また、固定資産税では、陰地割合を適用しない場合の補正率があります。
そこで、今号は相続税の不整形地評価を中心に解説します。
(※不整形地評価の方法として、「奥行距離の異なるごとに区分できる場合」「角地の場合」「二方路地の場合」等がありますが省略します。)

相続税の不整形地評価

相続税の不整形地評価は、次の2式のうち低い方の価額を採用します。
◆路線価×奥行価格補正率×不整形地補正率
◆路線価×奥行価格補正率×間口狭小補正率×奥行長大補正率
下記の不整形地(評価対象地)の評価額を求めるにあたり、(1)奥行距離(2)奥行価格補正率(3)間口狭小補正率(4)不整形地補正率(5)奥行長大補正率(6)評価額の計算の順で求めていきます。
「不整形地(評価対象地)」

(1)奥行距離

評価対象地の全体を囲む、正面路線に面する長方形又は正方形の想定整形地を描きます。不整形地の奥行距離は、その想定整形地の奥行距離を限度として、不整形地の地積を実際の間口距離で除して得た数値とします。
◆奥行距離… 480㎡÷20m=24m<25m
したがって、この不整形地の奥行距離は24mとなります。
奥行距離の例を掲げておきます。
「不整形地」

(2)奥行価格補正率

奥行価格補正率は、奥行25mの普通住宅地区で0.97です。
◆奥行価格補正率…0.97
「奥行価格補正率(相続税)」

(3)間口狭小補正率

◆間口狭小補正率…1.00
「間口狭小補正率(相続税)」

(4)不整形地補正率

不整形地補正率を求めるためには、陰地割合を求める必要があります。
◆陰地割合…(750㎡ー480㎡)÷750㎡=36.0%
◆不整形地割合(普通住宅地区A)…0.811×1.00(間口狭小補正率)=0.88
「不整形地補正率(相続税)」

(5)奥行長大補正率 価格補正の手法を中心に

◆奥行長大補正率…奥行距離(24m)÷間口距離(20m)=1.2(奥行長大の適用無し)
「奥行長大補正率(相続税)」

(6)評価額の計算

次の①②で計算した価額のうち低い方の価額で計算します。
①路線価×奥行価格補正率×不整形地補正率
380,000円×0.97×0.88=324,368円
②路線価×奥行価格補正率×間口狭小補正率×奥行長大補正率
380,000円×0.97×1.00×1.00=368,600円
以上から、1㎡当たり評価額は①324,価格補正の手法を中心に 価格補正の手法を中心に 368円<②368,600円から、324,368円となります。
◆評価額…324,368円×480㎡=155,696,640円

固定資産税の不整形地評価

固定資産税の不整形地補正率表

固定資産税の不整形地評価は基本的には相続税評価と同じですが、固定資産税の場合は、不整形地補正率表において地積区分が無い点に違いがあります。
「不整形地補正率(固定資産税)」

陰地割合方式によらない場合

「陰地方式によらない場合(固定資産税)」

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プロフィール


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代表取締役・鈴木彰
【仕事】不動産鑑定業、宅地建物取引業
【資格】不動産鑑定士、公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引主任、マンション管理士
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【連絡・問合せ】
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