アパレル業界における定番ともいえる分析法に 「PB分析」 があります。(PBとはプロパー/バーゲンのこと。)
STP分析とは?分析方法や重要性、活用事例を紹介!
の頭文字を取ったもので、マーケティング戦略の中で使われるフレームワークの一つです。
マーケティング戦略の立案と実行には、いくつかのステップがあります。
一般的には、以下のようになっています。
つまりSTP分析は
- 同質のニーズを持った市場を細分化
- 細分化した市場のなかでどこを狙うのかを決定
- 狙う市場のなかで自社の立ち位置を明確にする
という役割があるのです。
内部環境と外部環境の分析では、3C分析、5F(ファイブフォース)分析、SWOT分析などが使われます。
では、上記のマーケティング戦略を立案・実行するにあたってSTP分析をする目的はどこにあるのでしょうか?
なぜSTP分析が重要?
市場や顧客のニーズは時代とともに変化していきます。時代の変化に対応していくためには、ターゲットを明確にしたマーケティング戦略が必要です。
ターゲットを明確にしていない商品・サービスは、訴求軸がぶれてしまい、顧客に魅力が伝わりません。そのため、自社の強みを活かせない結果となってしまうでしょう。
マーケティング戦略を考えていくうえで、事前の調査・分析は欠かせないといえます。
STP分析のメリット
- 顧客やニーズについて整理できる
- 自社の商品の強みを明確化できる
- 他社との競争を回避できる
顧客やニーズについて整理できる
STP分析を行う最初のメリットは、顧客やニーズについて整理できることです。
STP分析は、どのようなニーズがあるのか、そのニーズの中でどういった市場をターゲットにするのかを分析します。
ですので、STP分析をしっかりと行えば、商品を購入してくれるユーザー像(ペルソナ)を具体的にイメージできるでしょう。
自社の商品の強みを明確化できる
他社との競争を回避できる
STP分析の項目・指標を詳しくみてみよう
- Segmentation:セグメンテーション
- Targeting:ターゲティング
- Positioning:ポジショニング
セグメンテーション
セグメンテーションとは、市場を顧客やニーズなどの共通項によって細分化する作業です。
市場は、消費財市場と生産財市場に分けられます。
消費財市場と生産財市場は、それぞれ4つの軸に分類されます。
消費財市場の4つの軸
- 人口動態軸(年齢、性別、家族構成、職業)
- 地理軸(地域、人口密度、住まい、文化、行動範囲)
- 社会心理学軸(ライフスタイル、価値観、パーソナリティ、購買動機)
- 行動軸(購買活動、購買心理、購買契機)
生産財市場の4つの軸
- 人口軸(業種、規模)
- オペレーティング軸(使用頻度、顧客の能力) マーケティングの分析手法
- 購買アプローチ軸(購買方針、購買意欲)
- 状況要因軸(緊急性、受注量)
セグメンテーションで大切なこと
セグメンテーションで大切なことは、どういった観点でどのくらい厳密に細分化すべきかの塩梅です。
現在は消費行動が多様化しています。
消費財市場は特に、どこまで細分化して考えるべきか難しい局面も考えられます。
セグメンテーションを行うにあたっては、「細分化した市場が充分なサイズか」「自社の強みを生かしやすい市場か」を考えるのが一つのポイントになるでしょう。
ターゲティング
ターゲティングでは、細分化された市場の中からどこを標的とするのかを決定します。
自社の商品の強みや、ブランドイメージが生かされるような市場を選択します。
狙いを定める市場を決定するときには、大きく3つのパターンがあります。
- 無差別型マーケティング
- 差別型マーケティング
- 集中型マーケティング
無差別型マーケティング
無差別型マーケティングは、セグメンテーションで分類した市場をあえて無視して、さまざまな市場に共通の商品を提供する戦略です。
無差別型マーケティングは、資金力が豊富な大企業向けの戦略です。
また、消費行動が多様化している現在では、大企業であっても有効とは言えないケースも増えているでしょう。
差別型マーケティング
複数の市場に対して、それぞれ異なる商品を提供する戦略です。
例えば、多くの自動車メーカーが無差別型マーケティングを採用しています。
商品そのものを分けるのではなく、複数の料金タイプの設定や、似たジャンルの商品を機能を変えて販売することも差別化マーケティングの一種になります。
集中型マーケティング
ポジショニング
ポジショニングでは、狙うと決めた市場の競合を調査し、自社がどのような立ち位置で勝負するかを決定します。
分析方法として、ポジショニングマップという2軸のマトリック図を作成することが多いです。
X軸とY軸それぞれにどのような価値の軸で分類するかを設定し、自社がどのような立ち位置かを分析していきます。
価値の軸に関しては、値段や品質、販売チャネルなどがあります。
ポジショニングでは「データに基づいた分析をおこなうこと」「一度に多くの指標を比較しないこと」が大切です。
データを無視して感覚で判断すると、正確な分析ができない場合があります。
また、多くの指標を同時に比較するとデータが複雑になってしまい、大事なデータを見落とす可能性が高くなります。
同時に比較する指標は、1~4つくらいにするのが良いでしょう。
STP分析の活用事例
俺の株式会社
- スタンディング席を採用し、二時間制にすることで回転率を上げる マーケティングの分析手法
- 高級食材や有名シェフ、好立地を実現し、ブランディングを確立する
「居酒屋よりも高級な料理を提供し、高級レストランよりも低価格で提供する」といったポジショニングで、社会的地位を中間所得層に設定しています。
通常、飲食店でのフード原価率は25-30%ですが、俺の株式会社は40%超え、店舗によっては60%を超えている状態です。
回転率を上げることで、食材の大量発注が可能となり、コストを下げられるというシンプルな仕組みがうまく機能しています。そのため、低価格のメニューを提供しても売上を上げられています。
株式会社ニトリ
小価格・中価格でありながら高品質で高機能な商品を提供するという、圧倒的なポジションを確立している「ニトリ」。
「お、ねだん以上 ニトリ」というフレーズがCMで浸透し、ブランディングに成功しました。
STP分析をおこなう際の注意点
分析順は柔軟に考え、各要素の連動性を意識する
セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングはそれぞれ別で考えずに、連動させて考えることで正しい分析ができます。
また、どのような商品をアプローチするのかで、分析順は変わります。
縦の順番にこだわりすぎず、ポジショニングを最初におこなうなど、柔軟に考えるようにしましょう。
市場を多角的に分析する
狙う市場から十分な収益が得られるかを考慮し、選定しましょう。
あまりに小規模すぎたり、成長が見込めない市場は、そもそも売上がたたない可能性があります。
STP分析でしぼった市場であっても、多方面からの分析を重ねて、最適な市場を導きましょう。
客観的な視点を意識する
自社の強みを最大限に活かすには、顧客のニーズを理解する必要があります。
良い商品であっても、アプローチする場所が違えば、誰にも響かない商品となってしまいます。
競合を分析し、自社のポジションを優位にするには、客観的な視点での分析が必要です。
フレームワークを組み合わせ、分析を見直す
STP分析の活用方法
- 自社に適した消費者グループを見つけ出す
- 自社の優位性を見極める
- 3C分析と組み合わせる マーケティングの分析手法
- 5R視点で評価する
自社に適した消費者グループを見つけ出す
まずは、自社に適した消費者グループを見つけ出すという活用方法です。
STP分析では、顧客やニーズによって市場を細分化し、自社が狙う市場を見極めます。
そこで、自社に適した消費者グループを見つけ出すことができれば、そのグループに向けて、新しい商品を提供することができます。
自社の優位性を見極める
またポジショニングでは、競合を分析し、自社がどの立ち位置で勝負を仕掛けるかを決めていきます。
そのとき、さまざまな観点からポジショニングマップを作成することで、自社の優位性を再認識するきっかけになるでしょう。
3C分析と組み合わせる
STP分析は、3C分析と組み合わせて使われるケースも多いでしょう。
3C分析とは、内部環境と外部環境を分析し、市場機会を見つける時に使われ、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)から分析します。
ターゲティングをCustomer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の観点で、自社に適した市場を見つけ出しやすくなるでしょう。
反対に、3C分析で魅力的な市場でないと分かれば、狙う市場を変えるというのも有効かもしれません。
5R視点で評価する
- Realistic Scale(充分な規模があるか?)
- Rate of Growth(成長率は高いか?)
- Rank & Ripple Effect(優位性と波及効果はあるか?)
- Reach(達成することは現実的か?)
- Rival(競合の状況はどうか?)
というものです。
5R視点で評価することで、狙うと決めた市場が本当に正しい選択となっているかを確認する手助けになるでしょう。
STP分析は、市場を顧客やニーズなどの共通項によって細分化し、細分化された市場の中からどこの市場を狙うのか、その市場で自社の立ち位置はどこになるのかを分析するものです。
競合に差をつける優れた施策をおこなえるか否かは、STP分析をどの程度おこなったかによって左右されるでしょう。
自社の収益を大きく伸ばしたいときは、このSTP分析に立ち返ってみてください。
新規事業を成功に導くビジネスフレームワーク 〜フレームワーク活用は経営者にとって必須のスキル〜
そして、AIやIoT、5Gといった技術革新によって車の自動運転化が急速に進んでおり、数年後にはGoogleなどが手がける海外の自動運転車が日本国内に進出してくるでしょう。そのため、トヨタなど日本国内の大手自動車メーカーはソフトバンクやウーバーといった企業と提携を行い、オープンイノベーションを起こすことで対抗しようとしています。
これは、まさにPEST分析で定義された、Politics(政治)やSocial(社会)、Economy(経済)、Technology(技術)といった外部環境を分析したといえるでしょう。
戦略計画の要 SWOT分析
SWOT分析とは
SWOT分析は、ハーバードビジネススクールのビジネスポリシーコースの一部として開発されてきたフレームワークです。内部環境のStrength(強み)、Weakness(弱み)と外部環境のOpportunity(機会)、Threat(脅威)という4つの要因から、経営資源の最適化や計画の改善策を策定するためのツールです。
SWOT分析の目的
- 強み(目標達成に貢献する自社の長所や競合への優位性などの能力)
- 弱み(目標を達成するにあたり障害となる自社の弱点や競合に劣る能力など)
- 機会(自社にとってプラスに働きビジネスチャンスとなるような外部環境の変化など)
- 脅威(自社にとってマイナスとなる規制強化や法改正、競合の動きなど)
クロスSWOT分析で分析結果を導き出す
そこで、SWOTの各要素を掛け合わせて分析を行うクロスSWOT分析を用います。例えばStrength(強み)とOpportunity(機会)を掛け合わせて、自社の事業の強みを機会に活かすためにはどのような行動を取ればよいかといった方向性の決定や、Weakness(弱み)とThreat(脅威)を掛け合わせて、自社の弱い部分に対して脅威となる要因を把握することで、リスクに備えるための対策を考えることができます。
SWOT分析の事例
- 世界トップクラスの知名度とシェアを誇るブランド力
- 強固な財務基盤
- 生産台数が世界トップ
- 製品の品質の高さ
- 海外販売比率が高いため為替の変動による影響を受けやすい
- AIやIoTなどの技術開発に遅れをとっている
- 新興国の成長
- TPPなどの経済協定による関税の撤廃
- 環境意識の向上やガソリン価格の高騰によるハイブリッド車などの需要増
- 若い世代の車離れの加速
- GoogleなどのIT企業の自動車業界への参入 マーケティングの分析手法
- 欧州をはじめとした国々での電気自動車の台頭
マーケティングの基本 3C分析
3C分析とは
3C分析は、元マッキンゼーのコンサルタントで、現在ではビジネスブレイクスルー大学の学長である大前研一氏が提唱したビジネスフレームワークで、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)という3つの要素によって分析を行います。この3C分析はマーケティングの基本ともなる分析手法で、PEST分析がマクロ環境の分析に用いられるのに対して、この3C分析はミクロ環境を分析するために用いる分析手法です。
3C分析の目的
Customer(市場・顧客)
Competitor(競合)
Company(自社)
3C分析の事例
Customer(市場・顧客)
- おいしいコーヒーを飲みたい顧客
- 雰囲気の良い店でリラックスしたい顧客
- 多少高くても本物のコーヒーを飲みたい顧客
Competitor(競合)
- タリーズコーヒー
- ドトールコーヒー
- ベローチェ
- コンビニエンスストアのドリップコーヒー
- ブルーボトルコーヒーなどの新興コーヒーショップ
- 図書館
- コワーキングスペースやレンタルオフィス
- ファミリーレストランなど
Company(自社)
- ソファ席などのくつろげる空間の演出
- 落ち着いた雰囲気
- 駅周辺などの利便性のよい立地
- 豊富なメニュー
- バリスタによる高品質なコーヒーが提供可能
ブルーオーシャンへの道標 ポジショニングマップ
ポジショニングマップとは
そのポジショニングを明確にするためのフレームワークがポジショニングマップです。ポジショニングマップは、2つの軸を用いて自社の位置を視覚化することで、競合優位性のあるポジショニングを導き出すことができます。特定の製品やサービスといった規模の小さい範囲でマッピングをしたり、業界など市場全体といった大きな範囲でマッピングをしたりすることで、まだ開拓されていない新たな市場の発見や、自社にとって有利なポジションを見つけ出すことが可能です。
ブルーオーシャン戦略
ブルーオーシャン戦略とは、競合のいない未開拓な市場において事業を行う戦略のことで、逆に競合がひしめき合い競争が激化している市場をレッドオーシャンと呼びます。新規事業においては、ブルーオーシャン戦略は非常に有効な戦略であり、この市場の開拓に成功をすれば、戦略次第では、その市場でのシェアを長期的に独占することも可能です。
PDCAサイクル
PDCAサイクルとは
PDCAサイクルはビジネスに携わっている人なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。PDCAサイクルは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)という4つの要素の頭文字をとっており、この4つの段階を繰り返すことによって、問題点や課題を洗い出し改善をしていくビジネスフレームワークです。
CRMで優良顧客を育てるための分析方法とは? 5種のCRM分析方法を解説します!
画像:CRMシステム「カスタマーリングス」の分析画面より
最も 基本的な分析 です。
購買情報をもとにして購入金額で顧客を10等分にして分析を行い、
全体売上に対し、 貢献度の高い優良顧客を見つけるのに有効 です。
RFM分析
画像:CRMシステム「カスタマーリングス」の分析画面より
・ Recency(直近購買日)
・ Frequency(購入頻度)
・ Monetary(購入金額)
上の3つで顧客を ランク分けして分析する手法 です。
購入回数が多かった元優良顧客への掘り起こしDMなどに有効 です。
CTB分析
・ Category(カテゴリ)
・ Taste(テイスト)
・ Brand(ブランド)
3つの指標を使って 顧客をグルーピング する手法です。
POSなどの顧客情報では分かりづらい分析手法で、高度で難易度が高い分、成功すると 顧客がどのような商品を購入するか、高い精度で推測できる ようになります。
LTV分析
画像:CRMシステム「カスタマーリングス」の分析画面より
LTVとはLife Time Valueの略称であり、 ユーザの企業にとっての顧客生涯価値を意味します。
LTVはユーザが商品購入やサービスを利用するうえで、生涯でどのくらいの金額を使ってくれるか、つまり 継続して購入・利用するロイヤルユーザは、LTVが高いという見方 マーケティングの分析手法 をします。
アパレル業界における定番ともいえる分析法に 「PB分析」 があります。(PBとはプロパー/バーゲンのこと。)
それぞれ定価で購入する顧客とセール時に購入する顧客を分けて、 全体の売上げにおける比率把握やそれぞれにあった施策を打つための指標 にします。
これによりアパレルにおける最大の課題と言われる 在庫ロスを軽減するだけでなく、新たな顧客層を見出すことも可能 になります。
もちろんそれ以外にも、様々な分析手法が今も考案され続けています。
ここでは代表的なものを挙げました。 優劣はなく、シーンによって使い分けられることが大事 です。
あなたの会社にぴったりの分析、やってみたいと思う分析はありましたか?
しかし、分析はあくまでも分析です。しっかり 目的を忘れず、有効活用できるように していってください。
■ futureshopのカスタマーリングス連携オプションについてはこちらから
「カスタマーリングス連携オプション」はfutureshop管理画面から簡単にお申し込みいただけます。ご検討ください。
4C分析と4P分析を自社商品・サービスのマーケティングに生かす方法をご紹介!
~サービスメリット整理表を活用しよう【無料DL】~
川上辰夫 (詳しいプロフィールを見る)
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マーケティング分析の理解度を上げる!リサーチのレベルアップ本20選
P298 ブランド戦略
「ブランド評価向上が、現場の売上と評価につながるか?」という現場の猜疑心によって活動の熱が冷めやすいことを理解し、そのうえで動機づけを維持するコミュニケーションも重要だ。
(中略)
ブランド戦略の推進が一過性で終わり、活動が縮小してしまう企業は、このようなビジネスとブランドの関係性の可視化を怠っていることが多いので留意したい。ブランド戦略には理念への共感も大事だが、継続するためには「ビジネスとして儲かる」「チームや個人としても評価される」という道筋が見えていなければいけない。
▼ 2.マーケティング理論:事業運営そのものに精通する
リサーチの分析を行う際には、「マーケティング理論」が備わっているほど、有効な示唆を得やすくなります。なぜならマーケティング理論は、経営判断・事業運営に必要な「論点」をまとめることに優れたモデルだからです。
マーケティング理論を扱う本は、(性質上)中身は一緒なのですが、①古典的に読まれているもの、②経営戦略も併せて理解できるもの、③ビジネスモデルへの知見が深まるもの、この3つの観点で選んでいくと知見が広がります。
⑤『グロービスMBAマネジメント・ブック【改訂3版】』(グロービス経営大学院・ダイヤモンド社)
P56 ポジショニング
ポジショニングとは、顧客の頭の中に自社製品をユニークなものとして位置づけてもらい、製品イメージをつくり出すための活動である。企業が意図するとおりのポジショニングを根づかせるためには、マーケティング・ミックスを適合させる必要がある。
⑥『全史×成功事例で読む 「マーケティング」大全』(酒井光雄・武田雅之・かんき出版)
P65 顧客の心の中に企業の居場所を明確にするポジショニング戦略
「ポジショニング」の起源は、ジャック・トラウトが著した1969年の論文にある。その後、1981年にトラウトがアル・ライズと共著で『ポジショニング戦略』を出したことで、1980年代にポジショニング理論が注目されるようになった。
トラウトとライズは、企業戦略とは自社内の視点だけでは判断できず、生活者が競合する企業に比べて、自社のことをどう認識するかによって決まるとした。企業戦略を策定して遂行する際には、生活者の心の中に、「企業の居場所(ポジション)」をつくる必要があると主張したのだ。
⑦『顧客満足経営事典』(常盤猛男・ファーストプレス)
P60 サービスの特徴と品質向上策
無形性:①効果を見えやすくする②クチコミの重視
生産と消費の非分離性:③サービス時間帯の拡大④良い場所の選択⑤サービスの標準化
品質の異質性:⑥サービス評価指標と目標水準の設定⑦採用、教育、訓練⑧コミュニケーション
非貯蔵性:⑨需要タイミングの平準化⑩提供スピードの短縮化
⑧『MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣』(シバタ ナオキ・日経BP)
P218 携帯キャリアの決算を読むコツ
携帯キャリアにおけるARPUは以下の3つに分類されます。
・音声ARPU
・データARPU
・サービスARPU
「音声ARPU」というのは、いわゆる「通話料」に相当する部分であり、「データARPU」はデータ通信量に相当する部分です。
▼ 3.小売・マーチャンダイジング:商品理解を深める
リサーチの対象となる業種・業態は、圧倒的に製造・小売・サービス分野が多いため、調査対象カテゴリ・アイテムへの理解があると、分厚い分析ができるようになります。
・商品をカテゴリとして理解している
・商品のバリューチェーンを理解している
・小売の歴史的な変遷を理解している
これに合わせて本で知識を吸収していけばよいのですが…
残念ながら、書店では「接客」「陳列」の技法を書いたものは数多くあっても、「商品の目利き」について書いている本は非常に少ない状況です。
⑨『ヒットする!PB商品企画・開発・販売のしくみ―PB商品の企画、生産から売り場展開、リニューアルまで』(藤野香織・同文館出版)
P94 商品スペック、商品デザイン、パッケージデザインの決定
PBには、足し算の発想ではな不要な機能を思い切ってそぎ落とす「引き算の発想」が重要である。それは、消費者に最も近いポジションにいる小売業だからこそできることでもある。本当に必要な機能だけをつけて、余分なものは削除し、その分安く製造し販売することが、最終的に消費者の求めることであるケースが多い。
⑩『図解 商品構成がわかる本』(小松崎雅晴・商業界)
P32 効果的かつ効率的に売上げをつくる仕掛け
商品には、「単品で大量に売れるタイプの商品」と「商品群として品揃えして売っていくタイプの商品」があります。また、「メーンとして売れる商品」と「周辺で売れる商品」があります。
⑪『コンビニエンスストア マーチャンダイジング HANDBOOK』(並木雄二・商業界)
P140 正月からバレンタインデーまでのMD
・テーマごとに売上を稼ぐ「量販商品」「戦略商品」「品揃え商品」の役割を明確にする
・「量販商品」→テーマで取り上げる商品全体の6~7割程度の売上を上げる商品
・「戦略商品」→他業態と差別化する商品+チェーンとして差別化するオリジナル商品
・「品揃え商品」→テーマ商品の選択の幅を広げる商品
P102 三越の経営理念のルーツ
こうした岩瀬の、「三越に掛値は無い」という馬鹿正直とも思われる努力に、顧客は正直に反応いたしました。暴利をむさぼるヤミ値と、実情に合わない「公定価格」の間で、「三越のつける価格こそ適正である」とする考えが急速に消費者の間に浸透していったのです。
現在、一般的に抱かれている「百貨店の商品と価格」に対する信頼感は、この時期に培われたといっても過言ではないのです。
▼ 4.統合的分析領域:分析の観点を養う
一方、「ECサイト・ウェブサイト・SNS」などのデータベースに集まってくるデータは、現状把握・実態把握に強い側面を持ち、どちらも行き来できるのが理想です。
究極的にはデータソースのチャネルが何であれ、大事なのは「分析の観点」。統合的にビジネスの主要データを扱い、分析リテラシーを養うための本を選びました。
⑬『ECサイト[新]売上アップの鉄則119 オムニチャネル時代の集客から接客まで』(株式会社いつも.・KADOKAWA/アスキー・メディアワークス)
P161 商材別の効果的なリマーケティングバナーの運用方法
スイーツ:「初めてセット」や売れ筋商品を購入済み→別バージョンの商品(季節限定商品など)を訴求。例えば、初回購入時にスタンダードな「チーズケーキ」を買う人が多ければ、2回目は季節限定の「いちご味」やバレンタイン限定の「チョコ味」などを訴求
家具などの高額品:訪問歴ありで未購入→購入までの検討期間が長いので、同じ商品を繰り返し訴求し、再検討を促す
⑭『いちばんやさしい Googleアナリティクス 入門教室』(小川卓・ソーテック社)
P202 サイト内検索キーワード
開いたレポート:行動>サイト内検索>サイト内検索キーワード
確認できる事実:サイトの中でユーザーが検索したキーワードを確認できます
気づきが得られるテクニック:(省略)
ユーザーの気持ちの推測:(省略)
改善提案例:(省略)
P88 いいねとリツイートの差
「このツイートは自分の気持ちを代弁してくれている」「私が言いたくても言えなかったことを言葉にしてもらえた」。見た人にそこまで思ってもらえると、リツイートにつながります。
よくある「RT(リツイート)キャンペーン!」のような集め方ですと、プレゼント目的でのフォロワーが増え、キャンペーン後にフォローを外されたり、フォローされたままだとしても興味を持ってもらえない、なんて話もよく聞きます。そうならないためには、企業アカウントであっても「共感」を意識してみて下さい。
⑯『バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る』(アレックス・オスターワルダー・翔泳社)
INTRO 価値創造のパターンを理解する
顧客が何を求めているかについての情報をシンプルな形に整理して、価値創造のパターンを目に見えるようにしましょう。そうすることで、顧客にとってなにより大切な、やるべき仕事、ペイン(悩み)、ゲイン(恩恵)をズバリと解決できるようなバリュー・プロポジション(価値提案)と、利益の出るビジネスモデルを上手にデザインすることができるでしょう。
▼ 5.リーダーシップ・組織マネジメント:タフなコミュニケーション力を身につける
事業会社におけるブランディング・プロモーションの仕事の半分は「社内調整」と言ってもいいくらい、組織の壁を突っ切っていくタフなコミュニケーションが必要になります。
そして多くの場合、プロジェクトを成功させようと思うと、リサーチ担当者の自分自身が火中の栗を拾いに行くスタイルでいかないとうまくいきません。
そこで、リーダーシップ・組織マネジメントスキルが必要になってきます。
(※管理・統制・評価とは別系統のもの)
⑰『最強のデータ分析組織 なぜ大阪ガスは成功したのか』(河本薫・日経BP)
P70 会社全体に貢献してこそ評価される
すなわち、データ分析専門組織は現場の業務改革に役立つソリューションを提供し、事業部門がそれを使って実際に業務フローや体制の見直しを行うことで初めて、会社に貢献できるのです。
P98 分析組織の独立採算制
できればそうならないように、メンバー全員で新たなデータ分析のテーマを考え、事業部門に頻繁に提案に行きます。独立採算制は分析組織から事業部門に対し、積極的に提案活動を行う大きなインセンティブになっているのです。
P147 全方位外交が基本
全方位外交による利益は三つあります。
一つ目は「全社的に活動している」と社内で認知されることです。
二つ目は分析組織のリスクヘッジになることです。
三つめは仕事のマンネリを防げることです。
(※それぞれの中身は中略)
⑱『日本一働きたい会社のつくりかた 社員が夢中になれる企業、ライフルの人事は何をしているのか?』(羽田幸広・PHP研究所)
P169 次世代経営人材育成プログラムのねらい
会社の代表としてグループ全体のビジョン・戦略をプレゼンさせると、大抵は自分の担当する事業領域においては自信をもってビジョンや戦略を語るものの、その他の領域では非常に浅薄な話しかできず、自分の視座の低さや視野の狭さに気づかされ、リーダーになるために足りないものが何なのかを痛感することになります。
次世代リーダー候補といっても、普段は自分の担当領域の経験しかできませんので、このように全社的なミッションを課すことで、普段は絶対にできないような経験を積む効果は絶大です。
P174 マトリクス型の人材育成
このとき起こるのが、専門性の異なる部下の目標設定や評価の難しさです。(中略)
そこで当社では、「担当マネージャー制度」という仕組みを運用しています。
各メンバーには、自分と同じ職種の専門性を持った「担当マネージャー」が入社当初から割り当てられ、自分の担当マネージャーに相談すれば、目標設定の内容やスキルアップの方向性について的確なアドバイスが得られます。
⑲『やる気を引き出し、人を動かす リーダーの現場力』(迫俊亮・ディスカヴァー・トゥエンティワン)
P42 リーダーに潜む「階層意識」の罠
メンターである澤田貴司さん(現・ファミリーマート代表取締役社長)と最初にお会いしたとき、
「ところで、お前はなぜ現場で禁止されている格好を堂々としているんだ?」
と指摘され、かなりショックだった。
(中略)
心でいくら現場をリスペクトしていても、一挙手一投足にまで気を遣わねばこういった細かいところに滲み出てしまうということだ。
P79 いいコミュニケーションは会議室の「外」で生まれる
ただし、カウンター越しに「会社についてなにか意見はありませんか?」といきなりインタビューしても、いい意見はもらえないだろう。それに、いつお客様が来るかわからないから、僕も所在ない。カウンターが、「内」と「外」を分ける「一線」になってしまうのだ。
僕は、「一線」を越え相手のフィールドで話すため、社員と同じようにカウンターの中に入ってみた。話している途中でお客様がいらっしゃったら、技術のない自分でもできるごく簡単な作業や接客を手伝った。
⑳『リーダー論(講談社AKB48新書)』(高橋みなみ・講談社)
P45 ひとりひとりが集まって「みんな」になる
もしもダメなところを見つけたら、その子といい関係性を築いてから、「ここはこうしたほうがいいんじゃない?」と伝えるようにしています。その前段階で言ったら、「なんでこの人に言われなきゃいけないんだ」と反発されて終わってしまう。「この人が言うなら、正しいんだろうな」と聞いてもらえる関係性を日頃から作っておかなければ、伝わるものも伝わらないんです。
P53 一度でいいから、本音を聞く
小嶋さんとぱるるが仲が良かったので、私は小嶋さんに近づいていく感じで、ぱるるを巻き込んだ3人でおしゃべりするようにしました。小嶋さんと私との会話を見ることで、ぱるるは「たかみなさんは、イジっても大丈夫な人だ」と警戒心を少し解いてくれたみたいなんです。
10月末に出版した『売れるしくみをつくる マーケットリサーチ大全』(明日香出版社)では、「ビジネスで成果を出す」ためのリサーチの技法を約300ページに渡り書きました。
ここで紹介している推薦書籍とも一緒に読み比べて欲しいので、ぜひ【書店で】ご覧になってみてください。あなたにとって最適なリサーチ本が見つかりますように★
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