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ストックオプション

ストックオプション
〔表3 調査結果:企業フェーズ毎のストック・オプション付与比率(1人あたり)〕

シンガポールにおけるストックオプション制度の概観について

①業績向上による利益を従業員が直接受けられるようになり、勤労意欲が高まる ②従業員に会社の一部を所有するという意識を持たせることができる ③ストックオプションを行使できる時期まで、長期的に会社に残ることを促す ④スタートアップ企業のように、現時点では高額な給与を出せず他企業との給与差がある場合でも、ESOPを報酬として付与することでその差を埋めることができ、優秀な人材を獲得するための有力な手段となる

2. ストックオプション ESOPの導入

ESOPも新株予約権の発行である以上、会社は発行にあたって、会社法(Companies Act (Chapter50)、以下”CA”)161条1項に基づき、既存の株主から、株式の発行と割当に関する権限を取得する必要があります。この権限は一度の発行に限定して取得することも可能な一方、包括的に取得することも可能ですが、最長でも年次総会ごとに取得する必要があります(CA 161条3項)。

その他、SGX上場企業ではSingapore Exchange Securities Trading LimitedのListing Manual、第8章に準拠し、別途株主の承認や、ESOPに割り当てられる株式の総量、行使価格の制限等の規則が存在しますので、その点にも注意が必要です。

①従業員が権利を行使した際に割り当てる株式を予約する「ESOPプール」(“ESOP Pool”)を作成すること。ESOPプールを作成すると、事前にESOPとして付与される株式の総量が投資家の目に明らかとなるため、予定外の株式の希薄化を防止することに役立ちます。 ②会社の取締役やその他の役員で構成される「ESOP委員会」(“ESOP Committee”)を作り、その構成員を明記すること。ESOP委員会は、ESOPプールを管理し、適切な措置を取締役会に勧告する責任を負います。 ③行使価格を定めること。行使価格は市場価格にかかわらず、低廉な価格を定めることも、プール作成時の市場価格に定めることも可能ですが、どちらに設定しても契約内容として価格が固定されるため、従業員はESOPのVest期間中上昇した市場価格と、設定された行使価格との差額を利益として得ることができます。 ④“Cliff Period”と”Vest Period”を設定すること。”Cliff Period”とは、その期間内は付与されたESOPを一切行使できない期間のことで、この間に退職した場合は原則としてそれまで付与されたESOPの権利を失います。対して、”Vest Period”とは、その期間中段階的に権利を行使できるようになる期間のことで、例えば100株の権利が付与される場合、4年のVest periodが設定されているときは、1年で行使できる分は25株、3年で行使することができる分は(累計)75株、という形となります。更に”Cliff period”が2年あった場合は、1年後は0株、2年後に50株、3年後に(累計)75株、となります。 ストックオプション ⑤売却制限を盛り込むこと。ESOPで購入した株式については、一定期間売却できないよう、契約内容として設定することが可能です。

3. 税制上の問題[1]

①権利確定期間をずらしたESOPでは、権利が確定していない株式の割合のみが対象となる ②ESOPが付与された時点で、まだシンガポールで働いていること ③従業員(ストックオプションを受け取る人)が以下の条件に該当すること A) 破産宣告を受けていない者であること B) 納税実績が悪くないこと C) ストックオプションにかかる税金が200ドル以上であること D) 地域代表者の地位を与えられていないこと E) 現行の税法上、分割払いが可能であること

また、外国人従業員がシンガポールでESOPを付与された後、シンガポール国内での雇用が終了した場合、「みなし行使」(“Deemed Exercise”)、または雇用主が利益確定を追跡し、報告する”Tracking option”が適用されます。みなし行使は、外国人従業員がシンガポールでの雇用を終了した時点の1ヶ月前を、ESOPを行使し利益を得た時点とみなすもので、売却制限解除や行使の有無にかかわらず、その時点の市場価格と行使価格との差額が課税対象となります。

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